| 吉本ばななといえば、キッチン・TSUGUMI(つぐみ)・ハチ公の最後の恋人など、多くの作品が読まれており、海外でも高く評価されています。読んだことのない人は、なんとなく爽やかな世界を想像していると思うのですが、なかなかどうして意外と暗いテーマが根底に流れていたりします。宗教であったり友人の死であったり超能力であったり。彼女の凄い所はそういった、それだけでおも〜い小説が1本書けてしまうようなテーマを実に美しくサラッと描いている所でしょう。「そんなに特別なことじゃない。確かに人生の中で参加しなくても済むイベントなのかも知れないけど普通に起こることなんだよ」この小説でも主人公の妹が自殺していたり、弟が頭の中に響く声に悩んでいたり、妹の元恋人とデキてしまったりと、こうして表記すると「なんじゃそりゃ」と思うような世界が、なんとも爽やかに描かれています。そして、決して重い気分になるのではなく、前向きな気持ちにさせるのが「ばななワールド」です。アムリタに限らず、どの小説を読んでも彼女の文章の美しさにひたれます。(朝) |