建設中の建て売り住宅の中で、中年の男の死体が発見された。自宅のパソコンのログから、男がインターネットの中で擬似家族をつくり、BBSやメールで「お父さん」を演じていたことが分かった。別の場所でも、もう一つの死体が発見されていた。こちらは、男のかつての浮気相手の若い女性。ふたつの死体のそばには共通の遺留品があった。一人の捜査官の発案で、ある取り調べが計画され、それが実行されようとしている......宮部みゆきの書き下ろし最新作「R.P.G.」は、最初から最後まで、その取調室が舞台。
現実の家族に不満をもち、理想的な家族を演じるロール・プレイング・ゲームに興じていた4人。「お父さん」の死によって、彼らの現実がむきだしにされ、彼らが目を背けていたものが明らかにされていく。取調室の中で、息詰まるような空気が濃くなってゆき、最後に犯人が明らかになった時、もう一つのどんでん返しが!
一度めはただもう一気に読まされ、二度めは「うまいなぁ...」と感心して読まされ、どちらも最後にもの悲しさといたましさが残る、一幕の舞台劇のような小説「R.P.G.」。おすすめです。(真) |