悪魔の涙
ジェフリー・ディーバー(著)土屋 晃(翻訳)
 映画化もされたヒット作「ボーン・コレクター」の著者、ジェフリー・ディーバーによる入魂のミステリーです。読み始めると最後まで止まらないスピード感ある作風は相変わらず健在といったところです。
 元FBI文書捜査官であるパーカー・キンケイドが今回の主人公です。二人の小さな子供との平和な生活を守るため、自宅で仕事をとる民間の文書検査士として生活をしていましたが、そんな彼のところに以前の同僚が尋ねてきます。ワシントンDCで発生した、市を相手どった身代金要求無差別テロの捜査協力のためです。しかし、前妻と子供の親権を争っている最中の彼は、一時とはいえFBIの捜査に手を貸すことは「子供の健全な養育上、危険な仕事はしない」という子供引き取る時の前提に反してしまいます。(しかし結局手伝うことになるのですが・・)
 文書検査士とは簡単に言えばある文書から書き手の状態を探る職業です。今回の事件を解く鍵は犯人から送られてきた1通の脅迫状のみ、「この国で一番優秀な文書捜査官」と言われるパーカーは、文書から浮かび上がる証拠から犯人を追い詰めていきます。
 なんとしても殺人者を逮捕したいFBI、とにかく犠牲者を出したくない市当局の思惑などが交錯するなか、現場を取り仕切る「感情のない」美人捜査官マーガレット・ルーカス、またパーカーの旧友である「奇跡を起こす男」ケイジなど個性的なキャラクター達がまた
しても登場します。そしてまたもやどんでん返しの連続の最後に明かされる殺人者の意外な正体とは・・!
 「ボーン・コレクター」に登場するリンカーン・ライムやアメリア・サックスも作中に彼のアドバイザーとして登場します。まだお読みでない方はこちらのお話も合わせてどうぞ。(素)